紅蓮の炎を背に歩いてくる人影。
風貌や身長は犠牲者たちと似たり寄ったりで、瞬き1つしない無機質な眼差しに、口元に薄ら笑いを浮かべた20代半ばから後半ぐらいの男だった。
「形あるものは、時の経過とともに老朽化し、滅んでゆく…
生あるものも同様に、死にゆく…
つまり、存在自体が無意味、ということだ…
おまえたちの行為や存在も同様だ…
よって、このまま灰と化すのは必然なのだ…
ククク…」
2人は全身に激しい火傷を負い、アサミは一命を取り留めたものの意識不明の重体となり、片割れは帰らぬ人となった。