2019/11/01

そして絶望へ05


「そもそも、なぜ人口が減るまで少子高齢化が進んだのか?これは男どもの草食化に歯止めがかからないからだ。どいつもこいつも生身の女性を相手にじゃなくて、やれフィギアだの、2次元だの、ゲームだの、アニメだの、バーチャルな存在だけに満足しすぎている。これに異論はあるまい?」

深くうなずくオリエとユカ。

「そんな連中は、女性側からどんなにその気にさせるようなことをしても無意味だ。だったら存在そのものを消して、より優勢な遺伝子を持つ者を当てがった方がいい。そう思わないか?」

表情を曇らせるユカ。
顔をしかめたオリエが口を開く。

「う~ん。理論的にはそうかもしれないけど、なんか違う気がする」

「ならば聞こう。おまえは草食化した男と一緒になりたいのか?」

「それはイヤ」

「だとしたら、ここにいられる方が幸せになれるのは間違いない。この2名以外にも、草食系などではない、優勢な遺伝子を持つ者が多数いる。その中から相手を選べるのだからな」

「でも、それって結局は不自由じゃん?そもそも一緒になるとかならないって、遺伝子が優勢だからとかじゃなくて、あたしの自由なわけでしょ?これって人権侵害だと思うな」

「ふ、素晴らしい理論だ。素晴らしすぎてアクビが出るほどだな。そもそも人権や自由などというものは、国があって、それが正常に機能していることが前提なのだ。どう考えても今の状態は正常とは言い難い。よって、おまえたちには侵害されるような人権や自由などというものは存在しない」

「はぁ?あたしたちは国の駒なわけ?」

「そうは言わないが、構成員なのは事実だろう?もし、国から国籍が与えられていなく、国民として扱われていなかったら、もっと命を脅かされるようなことが起きていたはずだ」