停止し、ドアが開く。
固く手をつなぎ、体を密着させた2人が降りていく。
少しあとに、自然さを装ったスキンヘッドが続く。
オリエは我に返ったように、反対側のドアが開いていることに気づく。
ドアが閉まることを告げる車内アナウンスが流れる。
「ウソ!?」
ちょうどドアが閉まりかけていたが、慌てて車外に飛び出していく。
全く意に介さない様子のマサヨシ。
閉まりかけるドアに何かが引っかかるような、挟まりかけるような音が聞こえ、軽く顔を上げるが、すぐに元に戻す。
『昨日、男性10名の変死体が川に浮かんでいるのが発見される。死体の状態から、ほぼ同時に殺害されたと見られている』
『依然として、20~30代の女性が行方不明になり続けている。一度に多人数が失踪するわけではなく、1人また1人という状況。手口は似ているようだが、現状手がかりは皆無の状態』
マサヨシの眼差しに紅蓮の炎が宿り始める。