2018/12/05

Α-40


橙色の木漏れ日が、辺りを同じ色に染めていく。

ウソ
行き止まり?

丸くくり抜かれたような、広場のような場所だったが、周りは高い樹々に囲まれており、目の前は高い崖になっていた。

そう、みてぇだな

荒い息遣いのタカシ。
明らかに顔色は悪くなっていた。

休む、よね?

ああ
なんか、変な感じだ
すっげぇ寒いけど、すっげぇ熱い

とりあえず、座ろ。

片足が不自由なアヤカよりもぎこちない動きのタカシ。

あ、鐘の音。
やっぱり同じだ

無反応なタカシ。


1羽のカラスが飛んでくる。
2人の目の前の、少々離れた場所に降り立ち、様子を窺うように小刻みに跳ねたり、立ち止まって首を傾げたりしている。

カラスに気づき、視線を向けるアヤカ。
互いの視線が交錯する。


2人に背を向けて、そのまま飛び立っていくカラス。

もしかして、あのときのカラス?

タカシは無反応なままだった。
土気色の顔で、苦しそうに息をしている。

心配そうにタカシを一瞥して寄り添い、その手を、包み込むように両手で握りしめるアヤカ。

辺りは橙色から黒へと変わりつつあった。