2018/12/01

Α-39


タカシを固く抱きしめ、微動だにしないアヤカ。
その後ろ姿を、雨が刺すように降りつける。

タカシの腕が力無く伸びてきて、アヤカの背中を抱く。
弱々しい抱擁で、ただ腕を乗せているだけというような状態だった。

響き渡る大音量の雨音。
2人の姿は白靄に掻き消されていく。


樹々の間から、暖かい光が多数漏れてくる。
徐々に薄くなっていく白靄。

止んだね。

ああ、やっと止んでくれたな

抱擁を解き、タカシの顔を覗き込むアヤカ。

やっぱり顔色良くないね。
手も冷たいし。
しすぎちゃって疲れちゃっただけ、じゃない気がする

なんか、もらっちまった、かな?

う~ん、どうなんだろ。

まぁ、そうだったとしても、目的が変わることはねぇ
鐘が、鳴ってる場所に行くっていう

うん。

行こうぜ。