2018/05/03

Α-12


薄明かりの街灯。
タカシのアパートが見えてくる。

手を繋いで歩いている2人。
アヤカの歩調に合わせているのか、少々ゆっくりだった。

2人はほとんど口を利かなかったが、アヤカは幾度となくタカシの手の関節を弄っていた。タカシもそれに応えるように、アヤカの手を、触感を確かめるように握り返していた。
無論、その逆もまた然りだった。

「見えて、きたね

「ああ」

「どの、部屋?」

「あの、ん?」

立ち止まるタカシ。

「どう、したの?」

歩みがゆっくりだったためか、無理なく立ち止まるアヤカ。

「あの2階の1番右にある部屋なんだけど、なんで雨戸が開いてんだ?出てくるときに閉めたはず」

タカシの部屋の窓に人影が1つ見える。

そういうことか。ここら辺は比較的安全だから警備も薄めだし、実はドローンもいないってことに気づかれたってわけか

「どっから、入ったんだろ

「たぶんアパートの入り口のガラスでも割ったんじゃね?あの窓、結構人目に付くし」

「確かに

「てか、電気もガスも止まってる部屋に押し入っちまうとは。ヤツもバカだよな」


タカシの手の関節を弄り始めるアヤカ。
一瞥するタカシ。
俯くアヤカ。

一応、軽く見てみっか。ホントにガラスが割られてるか」

頷くアヤカ。


「ありゃ?ガラスは思ったほど割れてねぇけど、鍵がガッツリ壊されてんなぁ」

「ホントだ

「戻ろうぜ。もしかしたら肉があるかもだし」

「うん、そうだね