2018/03/24

Α-06


白に近い薄いグレーの分厚い雲に覆われた空。
重く鳴り響いている陰鬱な鐘。

静けさに包まれている針葉樹の森。
しゃがみ込んで一心不乱に何かをやっているアヤカ。
微動だにしない人間の足。

カサカサという音。
アヤカの動きが止まる。

「俺も、食っていいか?」

タカシだった。
アヤカはタカシに背を向けたまま動かない。

「カネ、ないんだ。ここ最近、何も食ってないんだ」

ゆっくりと振り返るアヤカ。
互いの視線が交錯する。

「いい、よ