「ヨコイさん…」
「ん?」
「この仕事やってて、面白いって思ったことってなんですか?」
「そうだねぇ~…。日本人の髪が面白いってことかな」
「へぇ…」
「外人の髪って割と単調なんだよね。日本人の髪は結構複雑なんだよね」
「なるほど…」
「もしかして、ほかにやりたいことある感じ?」
「…脚本家ですかね」
「いいじゃん。ドラマとか映画とか?」
「そうですね。学生のとき、養成所行ってました。合宿とかもあって、そこで局の人間とか1線で活躍してる脚本家とかも来たりしますね。今回も帰ったときに行く予定です」
「なるほどね。でも、ミョウジン君はそれよりも作家とかで当てた方がいい気がするね」
「…」
なぜだ?
なぜかヨコイの言葉が妙にオレの中に突き刺さる…
「なんかねぇ…。脚本家だと色々と制約が多そうな感じがするんだよね。ミョウジン君はそれに嫌気がさしそう」
「…そういえば、どっかの局の人間は視聴率っていう言葉を数え切れないほど言ってましたね」
「たぶんだけど。ミョウジン君のやりたいことはそこにはなさそうな気がするんだよね」
「…」
オレの中でヨコイの言葉がひたすら反響し続ける…