2018/01/01

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青山通りと表参道に挟まれた区画

確か住所は北青山もしくは南青山のどちらかだった気がするが

オレが通っていた養成所はそこにあった

この区画は洒落たアパレルや美容室、カフェ、その他ショップが多いが、全体的にその存在を誇示する空気はなかった

養成所は当然ながら入会金や月謝があった

決して安いものではなかったが、自分で払っていたのは言うまでもない

ここでもある程度テーマが決まっており、それに沿って10作ほど書いた

養成所通いをすることにしてから、大学を辞めようかと何度も思ったが、敢えて学生であり続けることにした

学費を払っていた側であるオヤの説得やすぐに食えるものではないため、生き延びるための仕事探しの必要性

これらを天秤にかけた結果だった



この養成所はマスコミ業界とのパイプが太かった

毎年夏には2日間の合宿があり、限られた時間内で決まったテーマに沿ってドラマ的なものを書く
というものだった

この合宿は都内で300~500人ほどの人数を収容できる場所を貸し切って行われていた
それだけこの養成所と関わりのある人間がいるということなのだろう
1日だけ参加するという人間もいれば、地方から1泊2日で参加するという人間もいた

なお、ここには各大手テレビ局のプロデューサーや第1線で活躍する脚本家も招かれていた
合宿最終日には打ち上げという名目でパーティーが行われ、彼らと交流できるチャンスも提供していた

こういうときに、ここぞとばかり彼らに擦り寄っていく連中は皆特徴のない連中ばかり、というのが定説だ

無論ご多分に漏れずだったが

ここで横ないしは縦の繋がりを作っておくと、後々自らのデビューに有利になると考えているのだろう
それはある程度は有利に働くだろう
だが、一発屋という人種も多いはずのこの業界で生きていくには、こういったコネだけでは自らのキャリアが先細りするのは明らかだ

真に実力のある人間ならば、その人間がどこにいようとも放っておかれないはず

オレはそういったゴマすりや媚売りに命をかけている連中を観察する方が楽しかった

当人は必死というか巧くやっているつもりなのだろうが、オレにとっては笑いのネタでしかない

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