2017/12/19

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幾何学的な空間

白と黒が基調となった冷たい佇まい

至るところに設置された合わせ鏡

この空間は人間の気配が感じられない

しかし、この鏡によってオレ以外の人間があたかも複数人存在しているかのような錯覚を覚える


むしろこの錯覚として認識している感覚こそが本来のオレ自身の感覚ではないか?

合わせ鏡を改めて覗いてみる

当然ながら、オレ自身の姿が幾重に連なって見える

だが、その中に明らかにそれとは全く異なる異形の影が見えた

この人影の存在が気配の増大に一役買っているのだろうか?

別の合わせ鏡を覗いてみた

そこに映るのはオレ自身のみだった

何度覗き込んでもオレ以外の人影が映ることはなかった

先ほどの合わせ鏡を再び覗き込んでみる


そこに映っていたのは全て異形の影だった