2017/12/09

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柱時計が無機質に時を刻んでいる

ここはどこかの古めかしい洋館の一室だろうか?

天井は高い

大きなシャンデリア

灯りは点いていない

分厚い書籍が立ち並んだ天井と同じほどの高さの本棚

タイトルの文字は日本語ではなさそうな文字だった

柱時計の音はとにかく規則的だった

時を刻む感覚は常に一定なのだと気付かされる

人間はそのときの精神状態や気分によって、それが一定でないかのように錯覚する

大きな鏡

その周りには明らかにこの時代のものとは思えないデザインの人形が数体飾られていた

中世的な感じとでも言えばいいだろうか

彼女たちはまるで意思があるかのような空気感だった

オレは鏡を覗き込んだが、鏡には何も映っていなかった

強いて言うならそこにあるのは漆黒の闇

柱時計の音はとにかく機械的だった

鏡に人間の後姿が映る

オレの後ろに誰かいるのか?

柱時計はちょうど12時になったことを告げ始めた

鏡に映った人間が振り返る

無残にも刳り貫かれた両目

口は三日月形に引き裂かれていた

柱時計は12回鳴ったところで止まった

辺りは静寂に包まれた

どこからともなく含み笑いが聞こえてくる

その引き裂かれた口から血が滴り落ちている

やがて、含み笑いは狂気じみた高笑いに変わる

その口が一瞬動いたかのように見えた

湧き水のように出る血が滝の流れのようになり、その人物は消えた


高笑いは止まることがなかった