2017/11/07

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いつからかはわからないが

配属された部署の同僚の1人からの視線を頻繁に感じる

オレよりも2年ほど先に入社していたケイコからだった

ケイコは直属の上司でもあった主任職についている人間から不当な扱いを受けていると仕切りに訴えていた

仕事の教え方がほかの人間と明らかに違うとのことだった

「あの人はあたしを嫌ってる」とも言っていた

一時期ノイローゼ的なものを患い、薬のお世話になったこともあったそうだ

オレはひとまず話を聞くだけに留めておいた
なぜなら、この類の話は多分に感情的だ
片一方の主張だけでは実態が判断できないものだ

ケイコは口調に方言があったが、全体的にはいわゆる田舎臭さを感じないタイプだった
オレの必要以上に肩入れをしないスタンスが満更でもないようだった

気がつくと、ケイコと目が合うことが多かった
その目は性的な何かを感じさせる目だった

基本的にオレはケイコに対しては何とも思っていなかった

「実家暮らし」「この土地から出る気はない」「情緒不安定の傾向あり」「彼氏がいる」

これらのキーワードがオレに一線を越えさせる気を起こさせなかった

仮に越えたとしても、その場限りの関係で終わるだろう


深く関わると厄介なことが降りかかってきそうな臭いを感じた