2017/10/22

037

「なぁ、そろそろ隠れてないで出てこいよ」

闇の中から現れたのはルミだった
手に握られた短刀の切先が、僅かな明かりを反射していたせいか、白く光っていた

「まさか、コイツと一緒に尾けてたのか?」

キウェインはトリプルワンを一瞥した
ルミは首を横に振った

ルミの眼差しは虚ろで、視界にキウェインは入っていたようだったが、どこを見ているかわからないような目付きだった

キウェインは不敵な笑みを浮かべていた

「ここまでわざわざ来たってことは、だよな?」

ルミの目はガラス玉のようだった
短刀を握っている手に力が入っているのだろう
短刀が小刻みに震えていた

「いいさ、好きにしろよ。オレは、さっきも言ったが、本来だったら死んでるはずの人間だ」

キウェインは両手を広げて目を閉じた
恐怖心や躊躇いを全く感じていないような佇まいだった