2017/10/14

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時刻は14時ごろだった
電車内に「20区」への到着を告げるアナウンスが流れていた
今回は、キウェイン自身の意思に基くものだった

目的地は、スラム街と貧民街の境界線にある24時間体制の監視場だった
ここで行われていることは、秩序を守るという名目の殺戮なのだ

果たしてキウェイン自身が、過去にその殺戮に加担していたかどうか
そして、欠落している記憶を取り戻すための手がかりが見つかるかどうか

これらを確認しに行くためのものでもあった

キウェインは事前に所在地を確認していた
まともな交通機関は無きに等しい場所だったため、徒歩で向かうしかないようだった
所要時間は1時間程度の見込みだった



30分程度歩いた頃だろうか
そこには、同じスラムとは言い難い景観があった

キウェインの目の前には、広大な樹海が広がっていた
多くの樹が生い茂り、鬱蒼としていた
辛うじて街並みと呼べる箇所は、1520分程度歩いたところで影を潜めてしまった


樹海に通じている道は、舗装はされていそうな道1本のみだった