俺と真奈美は京王八王子駅近くにあるダイニングカフェに行くことにした
白が基調の内装で、テーブルと椅子は木製でこげ茶色だった
テーブルの上にはキャンドルが揺れており、店内の照明も明るすぎず、かといって暗すぎず、なかなか雰囲気のある店だった
店内で鳴り響いているR&Bが大きすぎるのが多少気になるが、真奈美は全く気にしていないようだった
「ここいいね~♪八王子にこういうとこがあるなんて思わなかったし~」
俺も同感だった
確かに駅の近くではあったが、それほど目立つ場所ではなかったからだ
「なんか料理とかお酒とかいっぱいあるね~。迷っちゃうな」
真奈美は楽しそうにメニューを眺めていた
気のせいかもしれないが、今まであった棘々しさがなくなり、より艶やかに、より可愛くなったようだった
女は男で変わると言われているようだが、真奈美は俺との一夜がキッカケになったのはほぼ確実だろう
「ごめん…」
香織は握り締めていた手を離す
「お、おう…」
「私、どうかしてたね…」
立ち上がる香織
「じゃあ…」