2017/08/27

■55

真奈美が不機嫌そうに掛け布団にくるまっている
小松は真奈美から離れた場所でタバコを吸っている

「なんかぁ~。スゴイ馬鹿にされた気分なんだけど~」

「やる気なくなっちまったもんはどうしようもねえよ」

「何それ~。サイテ~。こんな扱い初めてだし」

「だったらちょうどいいかもな」

「はぁ?ちょうどいいって何が? 意味わかんないんだけど~」

鼻で笑い、タバコを消す小松

「原因と結果ってヤツだ。物事には何でも理由がある。なんでこうなったか考えてみな」

「ちょっとぉ~。それってなんか~。自分のやったことを正当化してない~?」

「正当化はしてねえよ。お前の今までの行動とか考え方が招いた結果だ」

有無を言わさずに立ち去る小松

「ちょ…。一体何なの?こんな格好でこんなとこに放置されても困るし」



大城は友人と話している様子。テーブルには中身が何も入っていないグラスが3つとコーラの入ったグラスが1つ置かれている

大城は身振り手振りを交えながら、ファイルされた資料の説明をしているようだった
内容はオールモストのボーナスプランだった



JR八王子駅南口にある階段を2段飛ばしで駆け上がっていく小松

携帯電話が鳴る
階段を上りきった後、携帯電話をチェックする小松
大城からのメールだった

『1人決めた。これで2系列だ。あと、お前に言っておきたいことがあんだが、これから俺はTOPAZとしてではなく、Lapis lazuliとしてオールモストをやることにするぜ。独立ってことじゃなくて、自立って感じだ。正直、俺のグループの売上げの何%かがお前の取り分になるのはすげえ気にいらねえ。だが、俺はお前のダウンっていうポジションになっちまってる以上は100歩譲って妥協する。まあ、厳密に言うと俺の取り分が減るわけじゃねえから別にいいけどな。てなわけで、俺のグループはこれからすげえことになっからよろしくな』

顔をしかめながら、携帯電話を見ている小松



カフェ・シャノアールから出てくる大城
携帯電話が鳴る
小松からメールが来ているようだった

『セミナーには来ないってこと?』

携帯電話を操作し始める大城



JR八王子駅北口のエスカレーターに乗る小松
携帯電話を取り出す
大城からメールが来ていた

『ああ。宗教とかじゃねえだろ?ABC主体でも展開出来そうだしな。てか、あくまでも方法論の1つだろ?こうでなきゃいけないみたいなのはねえはずだろ?いいじゃんよ。俺の取り分が増えるってことはお前にもメリットがあんだろ?』



ハローワーク八王子の前でコーラを飲んでいる大城
人の出入りはほとんどなかった
曜日や時間帯によっては非常に賑わう場所だ

巷では景気がよくなったと言われているようだが、実際はIT化、デジタル化が進んだことによって以前より人手が不要になり、むしろその弊害を被っている人が増えたのではないかとすら思える

小松からメールが来る

『好きにしな。上手くいかなくても俺は一切フォローしないけどな』

鼻で笑いながら、メールを打ち返す大城



ヨドバシカメラ八王子店前を歩きながら携帯電話を見ている小松

『そう言うと思ったぜ。心配すんなって。俺にはSIS戦略ってのがあるからよ。気付いたら俺のグループがすんげえことになってっからよ』

大城のメールには返信をせずにそのまま歩いていく小松