香織はベランダから外を眺めながら電話をしている
電話からは真奈美の声が漏れてくる
『香織も明日の話聞いたら、絶対フューチャーズやりたくなると思うよ~。だって、あの男みたいな自分のやり方を押し付けるような人いないし~。すごく柔軟でやりやすいよ~』
「そうなんだ」
『うん。間違いないよ~。あたし今メンバーの人と付き合ってんだけど~、何か言われたことないし』
「え?マコト君とは別れたの?」
『別れてないよ~。ていうか、なんか浮気してるみたいだから~、お互い様って感じ?どうせ~、今付き合ってる人も所詮恋愛相手だしね』
「へえ…」
『香織は彼氏作んないの~?』
「う~ん。今のところはね。私はオールモストで生活出来るようになってからでいいかなって思うし」
『そうなんだ。でも、無理はしない方がいいよ~。男と女は何が起こるかわかんないしね~。いつ何がキッカケで男女の関係になるかわかんないしね~』
「…」
『あたしの彼氏はもうフューチャーズ1本で生活してるし、イケメンだよ~。明日紹介するからさ~。じゃあね~』
電話の切れる音
香織は深い溜息をつく