大城はコーラを飲みながら電話を架けている
テーブルにはパスタが入っていたと思われる空の皿が2つ置かれている
『もしもし』
「おお、俺だ。大城だ」
『最近やたら電話が多いな。どうした?』
「お前さ。声かける知り合いっている?」
『そうだなぁ。仕事場の人間は正直声かける気にならん連中ばっかだし、学校行ってたときはロクに友達作りして来なかったからなぁ。そう言われるといないかもな』
「なるほどな。じゃあ、そんなお前にすげえツールを教えてやるよ」
『珍しいな。どういう風の吹き回しだ?』
「お前が稼げるようにって、ただそれだけだ」
『へえ…。そりゃありがたい話だな』
「ぜってえ信じてねえだろ?」
『いや、そんなことはないさ』
「まあ、いいや。お前パソコン持ってたよな?」
『ああ』
「Eメールアドレス持ってる?」
『あるぜ』
「それを教えてくれれば、俺が使ってる必殺のツールに招待出来るぜ」
『ああ、SNSってヤツか?』
「そうそう」
『確かに人脈広がりそうだな』
「だろ?俺の言った意味が理解出来たろ?」
『まあな』
「じゃあ、あとで招待メール送っとくからよ。楽しみにしててくれ」
『出会い系とかじゃないだろうな?』
「んなわけねえだろ。出会い系のサクラやる時間は俺にはねえよ」
『わかった。よろしく』
「おう。あ、あと明日はアルタの裏に花屋があるから、そこで待ち合わせしようぜ」
『ああ』
「じゃあ、またな」
残ったコーラを飲み干し、セブンスターに火を付けて煙を吐き出す大城