2017/07/16

■13

小松は新宿南口の小田急線改札口近くの柱にもたれかかって、苛立った表情で電話をしていた

「おい真奈美!なんなんだよさっきの写メールはよ。俺はおめえがヤッてるとこなんか見たくねえんだよ」

『え~。見たいくせにぃ~』

電話越しから聞こえてくる小泉真奈美の甘ったるい声

「マコトもいんのか?」

『今はあたしのそばにはいないよぉ~』

「そばには、だと?」

『うん。なんかぁ~。汗いっぱいかいちゃったからお風呂入りたいって言ってたよぉ~』

「…」

もたれかかっている柱を拳で叩く小松
その様子をチラリチラリと見ながら通行人が通り過ぎていく

『もしかして怒ってる~? 別にいいじゃん。あたしは女だし~、マコト君だって男だし~。むしろ健全な証拠だよ。好きな人と抱き合ってたいって気持ちは~、君も同じでしょ~?』

「いや、俺が言いたいのはそういうことじゃねえんだよ」

『じゃあ、どういうこと~?』

「何でビジネスやんねえんだよ?」

『え~。別にいいじゃん。命令されてやるようなことじゃないし~。あ、来た来た』

電話が切れる音

「おい! こら。切ってんじゃねえよ」

電話を架け直すが、虚しく響く呼び出し音

「ちきしょう…」

電話を切る小松
それと同時に真奈美からメールが送信される

「見たかねえんだよ!」