2017/07/10

■8

午後7時、1日の重労働が終わりロッカーで着替える

このセンターはセキュリティ管理が厳しく、仕事中はポケットのない制服に着替えなければならない

正直なんとかならないものかと思ったりもするが、文句を言ったところで

『イヤなら辞めれば…。替えなんていくらでもいるし』

となるのは目に見えている

確かにある意味正論ではあるし、雇われの身である以上ある程度はやむを得ないとは思うが、会社側の考え方や姿勢があからさま過ぎるのは如何なものかというのが率直な感想だ

救いがあるとしたら、俺は業務委託をされている側にいることだ

このプロバイダに雇われている状態だとしたら、もっと理不尽な条件を突きつけられていたことだろう

それに俺が所属している業務委託会社はコールセンター関連では大手で通っているし、ほかにも複数の会社からも委託を受けているようななかなか敏腕な会社なようだ

だが、こういった愚痴や不満を言いながら生活をするのも時間が解決してくれる
何せ俺はビジネスオーナーになれる手段というか情報を手にした

そう思うだけでワクワクしてくるから不思議だ
大城のあの生き生きした様子がよくわかる
おそらく今の俺と同じ心境に違いない
大城から着信が来たようだ

このロッカーも一応セキュリティの厳しい場所だから通話が出来ない
エレベーターでビルのロビーまで移動し、大城に電話をする

『もしもし』

「おお、悪いな。着信があったから架け直した」

『そうか。とりあえず場所なんだが、新宿の東口にトップスハウスってビルがあって、その1階にニュートップスっていうカフェがあるんだわ。そこに来てくれ』

聞いたことのない場所だった

「近くに何があるんだ?」

『歌舞伎町方面から来るか、それともアルタ方面から来るかで変わるけどな』

「どっちがわかりやすい?」

『そうだな。俺としてはアルタ側の方が案内しやすいな。近くにマルイとかビックカメラがあるから』

「そうか…。じゃあ、近くに紀伊国屋もあるか?」

『そうだな』

「なんとなくわかった。とりあえず向かうわ」

『おうよ。住所メールした方がいいか?』

「そうだな。よろしく」

『じゃあ、また』

正直、全くと言っていいほどわかっていなかった
新宿は仕事場以外用のない場所だからだ