2017/07/08

■6

「お電話ありがとうございます。テクニカルサポートセンターの明神でございます(朝一は声の調子がいまいちだな)」

『すいません。ちょっとお聞きしたいんですけどいいですか?』

「はい。どのようなお問い合わせでしょうか?(男か。話し方からすると20代だな)」

『今朝インターネットをしようと思ったら全く使えなくなっちゃったんですけど…』

「さようでございますか。モデムのランプ状況ですが、リンクと書かれたランプはついていますでしょうか?(さて、この客のデータを見るか)」

『消えてますね』

「かしこまりました。では、お客様の登録情報を確認致しますので、電話番号とお名前をフルネームで教えていただけますでしょうか?(とりあえずモデムでも交換してやっか)」


「お電話ありがとうございます」

『すいません』

「はい(おっと。遮られた。女か)」

『解約したいんですけど』

「解約ですね。こちらインターネットが出来ないという窓口ですので、登録情報を確認の上解約受付の窓口にお繋ぎ致します(なんか不満そうな声だな)」

『はい』

「電話番号とお名前をフルネームで教えていただけますでしょうか?…ありがとうございます。では、お繋ぎ致しますので切らずにお待ちいただけますでしょうか」

『お疲れ様です。キャンセル解約のナカジマです』

「お疲れ様です。有線ユニットの明神です。お客様の対応お願いします(出来そうなヤツに繋がってよかった)」

『はい』

「お客様の電話番号ですが…」

『ありがとうございます。こちらで対応しますので、お繋ぎください』

「よろしくお願いします。お疲れ様です(こんなのばっかりだと楽なんだけどな)」

『お疲れ様です』


「お待たせ致しました。テクニカルサポートセンターの明神でございます(今日鳴るな)」

『お忙しいところすいません』

「いえ、とんでもないです」

『どこからお伝えしたらいいでしょうか?』

「では、過去の記録などを確認致しますので、お手数ですがお申し込みの電話番号とお名前をフルネームで教えていただけますでしょうか?(こういうタイプの人だと必要以上に丁寧になっちまうな。しかもおじいちゃんだし)…ありがとうございます。では確認致しますので少々お待ちいただけますでしょうか?(保留にすっか…。…これはスーパーバイザー呼ぶか)」

その場で手を上げる俺
PCのモニターを見ていた亀山スーパーバイザーがやってくる

よかった…それなりに出来る人間だ
今日はほかにも何人か出来るスーパーバイザーがいる

「どうしました?」

「この人こっちで出来ることは全部やってる感じなんですけど、次はどうしたらいいですかね?」

「ちょっと見せて」

俺の席にあるPCを操作し始める亀山

このセンターはオペレーター1人1人にPCが与えられており、顧客情報も電話番号などを入力することで検索出来る
システム的にはそれほど悪くはない

「う~ん…。となるとあとは有料での現地調査か納得しないようだったら解約誘導になるね」

「確かにそうですね」

「お願いします」

俺は保留を解除することにした

「お客様」

『はい』

「大変お待たせ致しました。今過去の記録などを確認したんですが、実は私共で出来ることが現状非常に限られている状況でして、あと出来ることが有料で工事も出来るスタッフを派遣するという対応になりますが」

『そうですか…。有料というお話でしたけれど、いくらぐらいかかるんですか?』

「料金と致しましてはスタッフを派遣するのに10500円、原因が見つかってそれを取り除くのにも費用が別途発生します(こりゃ首を縦に振らなさそうだな)」

『う~ん…。ほかの方法はないでしょうかねぇ』

「(やはりそう来たか)そうですねぇ。私共と致しましてもほかの選択肢があるのであればご案内させて頂くんですが、もうモデムの交換もしてますし、電話局側の機器の交換も行っているものですから、たいていはこれで改善出来ることがほとんどなんですけども、これで改善が見られないという状況なので、大変申し訳ない お話ではありますが、残された方法としては先程お伝えしたように有料でスタッフを派遣して原因を調べるということになってしまいます」

『そうですか…。やはり改善する可能性は高いんですか?』

「そうですね。私共としては最後の手段と位置付けているものですので、改善する可能性は高いですね(まあ、有料だしね。いつも思うことだけど、もっと早い段階で現地調査って出来ないもんかねぇ)」

『…わかりました。一度検討したいと思います。まだ連絡します』

「かしこまりました。ご連絡お待ちしております(こういう人はちょっと可哀想だよな。ちょっと喋り疲れたからトイレでも行ってこよう)」