2017/06/04

Premonition

はあ……、はあ……、はあ……、はあ……、はあ……、はあ……、はあ……
どうしたんだろ……
体が、すっごい重い……
お腹と背中も痛いし……

サヤは足を引き摺るように歩いている。
リュウスケは従来通り業務をこなしているものの、サヤの様子はそれとなく観察していた。
!?

サヤの動きが止まり、力尽きるように膝と両手をつく。

はあ……、はあ……、はあ……、はあ……、はあ……、はあ……、はあ……、はあ……、はあ……、はあ……
ウソ……
そんな……
もしかして……

「大丈夫か?立てるか?」

肩で息をしながらも、ゆっくりと体を起こし、顔を上げるサヤ。
リュウスケだった。

一瞬だったが、お互いの視線が防毒マスク越しに交錯する。

…どうしよう、なんか言わなきゃ…

スマートフォンを取り出し、何かを打ち込む動作をするサヤ。
怪訝そうに様子を窺うリュウスケ。



打ち込みが終わったようで、スマートフォンを差し出すサヤ。
画面には『大丈夫です。すいません、私声帯がダメになっちゃってて、しゃべれないんです』と表示されている。

「なるほど、そういうことか」

ゆっくりと立ち上がり、再びスマートフォンに文字を打ち込み、差し出すサヤ。

『ありがとうございます。ホントは向こうに行きたかったんですけど、戻ります』

「ああ、わかった。気をつけてな」

力なく頷き、ゆっくりと足を引き摺るように戻っていくサヤ。