2017/05/08

Melting

漆黒の闇。
街灯に照らされる無数の黒い線。
辺りは、蒸気か濃霧か定かではないが、白く塗りつぶされていた。

完全防護状態のヨシキが歩いている。

「!?」

能動的に死を選んだと思われる、白い蒸気を発しているうつ伏せ状態の亡骸。
絶え間ない黒い雨のせいか、頭部や指は白骨化しており、それ以外の箇所も所々骨が見えていた。

「…」

人工知能がやってくる。
しかし、溶けつつある亡骸には見向きもしなかった。



立ち込める蒸気の中を進んで行くヨシキ。
侵蝕の度合いは様々だが、同様の亡骸を見かけないことはなく、人工知能たちはその存在を認識していないかのような動きをしていた。