2017/01/15

River abandoning the dead bodies

川は20〜30mほど下にあった。
手すりは設置されてはいるが、乗り越えようと思えば乗り越えられる高さだった。

巡回するように歩いている人型ロボット。
少子高齢化対策に生み出された人工知能の産物だった。
本来は接客サービスや介護用だったが、用途不要になったため、相当数が配置されるようになった。

スマートフォンを操作しているリュウスケ。
画面にはアプリが起動しており、川の地図のようなものが表示されていた。
赤い点が川の周りに何個も表示されており、ゆっくりと動いている。

リュウスケは、川の周りに配置されているロボットの管理をする仕事をしていた。
交代制で、主に6時から15時までの業務だった。

川は広く、大きいため、全てを1人で見るのは不可能だった。
このため、携わっている人間たちの持ち場は区分けされ、その中で業務にあたっていた。

ゆっくりと動いていた赤い点の1つが静止し、激しく点滅する。
それは10mほど先だった。

一瞥するリュウスケ。
ロボットが、亡骸になったと思われる人間を担いでいた。

スマートフォンに視線を移すリュウスケ。
ロボットは、担いでいた亡骸をそのまま川へ投げ落とす。

重度に大気汚染が進んだこの世界では、防毒マスクを外すことは、呼吸器系が詰まり、そのまま窒息死につながることを意味する。

なお、川に身を投げて自死する割合よりも、なぜかこの界隈で窒息死をする割合の方が高かった。