2017/09/10

■69

季節は冬から春に変ろうとしていた
肌で感じる空気に春らしい暖かさが混じるようになってきた
寒いのが苦手な俺にとっては嬉しい季節でもある

真奈美も寒いのは苦手なようで、肌も乾燥しやすく、すぐに荒れてしまうらしかった
そのせいか、エステにほぼ月一のペースで通っているようだった
あの艶やかな肌は努力で維持していることになるようだ

正直意外だと思った
真奈美のようなタイプはどちらかと言えば、先天的に持っている要素だけで生きていることが多いと思っていた
真奈美によれば、それは香織の方だとのこと

香織はいわゆる育ちのいいお嬢様タイプのようで、物質的には何不自由なく過ごしてきたらしかった
確かに実際香織と付き合ってみて、それは随所に感じた



俺は西新宿にある成子天神下という交差点にいた
T字路形の交差点で、時間帯や曜日にもよるが、比較的人通りの多い場所だ

周辺はオフィスビルや東京医大病院、ヒルトンホテルなどがあり、通りかかる人間たちも周辺のビルから出てきたサラリーマンやОL以外に、営業職と思われる人間や観光客的な風貌の人間たちなど様々だった

俺の日課になりつつある休憩時間の過ごし方は、成子天神下にある自販機で買ったミルクコーヒー的な飲み物を味わいながら、行き交う人間を観察することだった
俗に言うヒューマンウォッチングと呼ばれるものになるのだろうか…

観察していて思うことは、やはり人間は十人十色だということだ
1人1人背丈や体形はもちろんのこと、風貌や佇まいも誰1人として同じ人間はいない

人それぞれ生きてきた環境やその中で形作られてきた価値観が違うためだろう
当たり前と言えば当たり前だが、その違うということを細胞レベルで1人1人が認識できていれば、この世に戦争やいじめといった争い事関連は起こらないのかもしれない

とは言え、歴史を振り返ってみると、人間は常に戦争や侵略を繰り返して来ているような印象を受ける

時代が変わり、科学技術がどれだけ進化したとしても、この流れは形を変えて存在し続けるのかもしれない

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