2017/09/25

011

「ほぉ。なかなかやるな。こいつらはハッキリ言って雑魚に等しいが、さすがに数人ぐらいだと手こずっただろう?」

別に。だって、こいつら父さんと母さんをこんなにするのに夢中で、オレが近付いても全く気付かなかったよ。だから、簡単だった」

少年は全身に大量の返り血を浴びていたが、自身は無傷のようだった
少年の近くには、漆黒のボディースーツを着た長身の男がいた

どちらかといえば細身だったが、肩幅が広く、ボディスーツの上からでも、全身に鍛え上げられた筋肉があるのがわかるほどだった

「フッ、そうか。ところでその短刀はおまえのものか?」

「いや、後ろの方でオレを押さえてたヤツのだよ。なんか色々しゃべるのに夢中だったみたいだったから、盗むの簡単だった」

「なるほど

「アンタは、こいつらの仲間?」

「一応、そうなるな」

「なんで、オレを殺さないの?オレ、アンタの仲間、こんなにバラバラにしちゃったのに

「おまえがこいつらを殺したのは、こいつらがおまえの両親を殺したからだろう?違うか?」

そうだよ」

「だったら、オレがおまえを殺す理由はない、ということだ」


これまで無表情だった少年に、暗澹の色が浮かんだようだった

「オレ独りぼっちなんだよな?」

「だろうな」

「なぁオレを殺してくれよ」

「なぜだ?」

「だってさ。こっから先、どうやって生きてけばいんだよ!」

少年の目には涙が浮かんでいた

「オレは貧民街で生まれて、両親の顔を知らない。そして、気付いたらここで殺戮マシーンとして生きていくことになった。ほかの選択肢はなかった」


「今、この監視場はオレしかいない。このまま道なりに進めばスラムに辿り着ける。貧民街よりずっとまともな場所だ。だが生きるのにはカネを稼ぐ必要がある。どうだ?しばらくここで、オレとともに殺戮マシーンとして生きてみる気はないか?」

さつりく、マシーン

「言っとくが、今のおまえにほかの選択肢はない。それはわかるだろ?」

わかったよ。どうすればいいんだ?」

「ひとまずは、侵入者の監視だ。これからどんどん夜が更けてくる。闇に紛れて貧民街からどんどん侵入者が増えてくる。ヤツらは追い立てたぐらいでは効果がない。だから、おまえがやったように一瞬で喉を切り裂くのが1番だ」

了解」

「ところで、おまえの名前はなんて言うんだ?オレはここの任務用のトリプルワンっていうコードナンバーしかないが」

「キウェイン」

「そうか」

「トリプルワン、オレもコードナンバーがほしい」

トリプルゼロでどうだ?」

「了解


殺戮マシーン トリプルゼロの誕生だった

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