2017/09/24

010

少年は、10歳ほどだろう
瞬きもせずに、ひたすら目の前で起きていることを眺めているようだった
スラムの監視員に取り押さえられていたのだ

時刻は21~22時ごろだったため、森は灯りなしでは足元が見えないほど暗くなっていたが、彼らの周りは昼間並みの灯りが用意されていた

数人の監視員たちが罵声とともに2人の人間に暴行を加えていた
この界隈でよく起こる殺戮の現場だった

「へっへっへ。かわいそうになぁ…。さっきまで必死こいて命乞いしてたのによ。しかし、あいつら容赦ねぇなぁ…。あの音だと体の骨完全にイってんだろうな。きっと内臓も…」

少年は恐ろしく無表情だった
目はどこを見ているかよくわからないような目付きだった
また、黒目よりも白目の方が多かった

「うわ…。こりゃバラバラ事件だなぁ…。へっへっへっへ、スラムん中だと完全に犯罪だけどよ。ここだと秩序を守るための一環っつう扱いになるんだからなぁ…。ん?」

取り押さえていたはずの少年が姿を消していた

「おい、どこに行…」

その監視員は背後から喉を切り裂かれたようだった
倒れたあとは2度と起き上がることはなかった

少年の手には鮮血の付いた短刀が握られていた
足元は滴り落ちる鮮血で赤く染まっていった

暴行を加えている監視員たちは、全く気付いていないようだった
目の前の獲物をいたぶって殺し、原形をとどめない状態にするのに集中していたからだろう

少年は彼らの元に、ゆっくりと向かって行った
表情、顔色1つ変えずに

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