2017/09/18

004

そこは、貧民街とスラム街との境界線にある森だった

ここの監視員は24時間交代制になっており、その日の深夜はキウェインのみ配置されていた
当時、キウェインはまだ未成年だった

しかし、侵入者の締め出し率に関しては、すでに監視員の中でもトップレベルだった
特に、相手の息の根を一瞬で止めてしまう殺傷能力が群を抜いていた

多くの監視員たちは、多勢無勢の状態を作り出し、寄ってたかって罵声を浴びせながら、憐れな貧民たちを嬲り殺しにしていたため、キウェインは異色の存在だった

深夜は、闇に紛れて侵入者が断続的に現れる
図ったかのように、一定の時間で23人ずつ現れるのだった

このため、スラム側は敢えて殺戮マシーンのように任務をこなせる人間を少なめに配置していた
キウェインもそのうちの1人だった

その日は珍しく侵入者が1人もいなかった

時刻は、ちょうど午前2
2人組の侵入者が現れた

キウェインは暗視ゴーグルで侵入者を確認し、いつものように任務を遂行した
憐れな侵入者たちは、抵抗する間もなく息の根を止められてしまった
キウェインの短刀が喉を切り裂いたのだ

20代後半から30代前半の男女だった
恋人同士だろうか?

キウェインは辺りを見回していた
この男女以外に侵入者らしき人影は見当たらなかった

「そこにいるんだろ?隠れてないで出てこいよ」

キウェインは、短刀を叢に向けた
叢に彼らとは別の侵入者が潜んでいるのだろうか?

「姿は隠せても、気配までは隠せないみたいだな。バレバレだぜ?言っとくが、この距離だったら、この短刀、おまえの急所に確実に刺さるぜ?」

短刀が向けられた叢は、キウェインと5mほど離れていた
しかもキウェインは、腕を体の横に伸ばし、短刀を向けていた

叢が完全に視界に入っていない状態だったのだ

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