2017/08/29

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改めて振り返ってみると、大城からオールモストの話、正確に言うとネットワークビジネスの話を聞いてから1週間ぐらいしか経っていなかった

しかし、既に1ヶ月経過していたような気がするほど色々な人間に出会い、そのうちの1人とは肉体関係を持ってしまった

ただ毎日を過ごしていただけの今までとは全く違った濃い時間だった
それは楽しくもあったが、同時に怖さもあった

まるで、見えない何かに支配されているのでは?と錯覚してしまうような感覚だった
それとも、未経験な世界に足を踏み入れたときに感じる期待感と不安感が入り混じった、あの独特な感覚だろうか?

俺はこれからどうなっていくのだろうか?
香織と結婚することになるのだろうか?
近いうちにコウノトリさんが来ることになるのだろうか?
大城はネットワークビジネス一本で生活出来るようになるのだろうか?
小松はどこまで稼げるようになるのだろうか?
真奈美は再び波乱含みな流れを呼び込んで来るのだろうか?

大城は、聞くところによるともう1人直紹介したようだった
しかも、小松が主催するセミナーに動員したり、ABCを頼んだりすることなく、独りで一連の作業をしてしまったそうだ

大城が稼げればその分小松にも収益として還元されるしくみになっている
基本的に一般企業のピラミッドと同じ形にはなっていくようだが、大城の上げた利益が小松にピンハネされるわけではない

小松にも収益にはなるが、そのパーセントとしては大城の収益分の5~10パーセントぐらいの額が会社から配当されるらしい

オールモストは配当に対してのノルマはないようで、大城曰く、普段仕事としてやっている営業よりやりがいがあるとのこと
インセンティブがずっと続くような感覚で出来るらしい

俺は営業未経験者なのでよくはわからないが、おそらく一般企業で言う所のボーナスと呼ばれる臨時収入的なものなのだろう
ちなみに正社員も経験したことがないので、そのボーナスをもらう感覚がどういうものかも定かではない

まあ、お金がもらえて嬉しくない人間はまずいないだろうから、きっと自分がその立場になったら嬉しいことには変りはないと思うが…

ただ、それでも俺は正社員というものに魅力やメリットを感じない
仮に毎月の収入が今の2倍3倍になるということであれば多少は考えるかもしれないが、収入が安定する、キャリアアップ出来る機会が増えるというだけではあまりにも不十分だと思わずにはいられない

大抵の場合、手取りが多少増えるだけで、拘束時間や理不尽な責任も同時に増えるのが現状だろう

俺は人生の貴重な時間の大半を会社の歯車の一部になって過ごすのは耐えられない
とは言え、組織の力を借りずに自分自身の力で稼ぐには、才能や運、コネなどがなければ極めて難しいのは言うまでもない

大城や小松からはネットワークビジネスはそういったものがなくても、俺の目指すものが叶えられる手段だと聞いてはいたが、個人的には楽しめないものだった

確かに収入プラン的には可能性は十二分にあるのはわかるが、楽しめないものが長続きするはずがなく、長続きしないということは収入にならないということを意味する

ならば、ほかの方法を考えなければいけないのだが、俺は香織との男女の営みが楽しくてしかたがなく、それ以外のことを考えられない状態だった

脳のどこかが麻痺してしまっているのだろうか?
一説によると『セックスは麻薬のようなもの』ということだったが、それに関しては激しく納得してしまった

確かに1回でもお互いの中に入り合ってしまうと、何度でもあの感覚を味わいたくなってしまうほどの強烈な常習性がある

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