2017/07/02

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さて何から書けばいいだろうか…

とりあえず自己紹介だろうか?

正直あまり得意ではない
なんとなく形式的な気がするし、第一何を話せばいいかよくわからないことが多い

自己紹介してって言われると、ここぞとばかり自分の自慢ばかりする人や脈絡なく自分のことを話す人は、率直に言って人間的に興味が持てないし、圧倒的につまらないことがなぜか多い

まるで発言すればするほど自分自身に中身がないことをアピールしているかのようで、それはそれで面白いと言えば面白いが

話が反れてしまった。このように本来どうでもいいことに意味付けをするのは俺の悪い癖でもある

まず俺の名前は明神。歳は26
そして、職業は某インターネットサービスプロバイダでオペレーターをやっている

こんな感じでいいだろうか?
自己紹介なんて、要は自分がどんな名前かわかればそれでいいのではないかと思ったりする

必要最低限の情報がわかればそれでいいのではないか?
もっと俺のことを知りたければ個人的に聞いて欲しいものだ
全員が全員俺のことを知りたいわけではないと思う

俺は基本的に怠け者だし、束縛や人から指図されたりするのが何よりも嫌いで、学校のように決まった時間に通学して、先生から課題を与えられたり、クラスのみんなと一緒にやれ体育祭だ文化祭だのって言われるのは本当にやる気がしなかった

だが、逆にとりあえず表面上でもこなしていれば生きていくことは出来たし、何よりも楽だったから多少の不満に関しても目はつぶっていた

こんな性格だから、当然就職もなかなか決まらなかったし、何よりもこのまま会社に入ってしまったら、それこそ決まった時間に通勤して帰って、所定の日に給料という名のお小遣いをもらう生活をこれから何年も繰り返すという、いわば自分の近未来が見えるのがとにかくいやだった

とは言え自分にはほかに組織に頼らないで生活をしていく資産だったり、才能やコネがあるわけでもないというのも薄々勘付いていた
それは百も承知だが

というこのやり場のない感情をどうしたらいいのだろうか?
と思っていたところに友人でもある大城がある情報を持ちかけてきた

「そういうお前にピッタリの仕事聞いちまったんだよね」

「は?」

目が点になるのを感じた
俺の価値観に同意をしており、とりあえず金が稼げれば何でも構わないと言っていた、どんな話を聞いても心が動くことのないあの大城が本当に心から楽しそうに語っていたから無理もない

「で?どんな仕事だ」

上手い話の裏には必ず何かがあると常に思っている俺はまず疑った

「まあ、あせんなって。どんな仕事かって言うとだ…。紙ねえかなあ…。ああ、このナプキンでいいや」

俺たちはちょうど行きつけになっているJR八王子駅と京王八王子駅の中間地点にあるデニーズにいた

大城はナプキンに十の字を書いた

「まずさ。世の中ってさ仕事を大きく分けると4つに分けられんだ。左上がいわゆる労働って呼ばれる場所。リーマンとかOLとかがここさ」

大城はどこでこういう情報を聞いて来たのだろうか?

「じゃあさ、この労働の下つまり左下はどんな人たちが来ると思う?」

「さあ…」

「だよな。ここは自営業だ」

「へえ…。でも仕事ってもうないんじゃ?」

「そう思うだろ? 俺もそうだった。でも、あと2つあんだ。こっからが本番だ」

よくわからないが、大城とは付き合いが長く、少なく見積もっても10年はある
その期間の中で1番生き生きしていた
この男をここまで変えたものは一体何だろうか? 俺は真相を確かめてみたくなった

「じゃあ、まず右下だ。ここは答えを言うと、投資家と呼ばれる連中だ。1番金持ってるヤツらさ。10億投資して100億儲かったとかいう意味不明な話が飛び交ってる」

「なるほど…」

「で、だ。俺が聞いた話ってのは残りの右上の話しなわけよ。ここってさ何だと思う?」

「…印税とかかな?」

「その通り。まさしくその印税関係だ。ここは総称するとビジネスオーナーって言われてる」

「ビジネスオーナー?」

聞いたことのない言葉だった
ただ、作家や作曲家が本やCDなどが売れると印税として収入が入ってくるというのはなんとなく知っていた

俺も目指していたことが過去にあった。理由は1度収入が入ってくるようになれば決まった時間に通勤しなくても生活出来る

ある意味権利的な収入なため半永久的に入ってくる。面倒臭がりな俺にとっては願ったり叶ったりな手段だ

但し印税を手に入れるにはとにかく才能が必要で、俺にはそれがなかった

どこで聞いたのかわからないが、もし大城の言うことが本当なら俺にも運が向いてきた

「ああ。作家とか作曲家もビジネスオーナーだ」

「それはなんとなくわかる」

「そうか。お前そういうことやってたもんな。だったらこの話すげえと思わねぇ?」

「確かにな。でも、まだ肝心なことを聞いてないぜ」

「ああ、そうだったな。でも、こっから先は俺が話すと最低でも12時間はかかる。だから俺の知り合いでもあり、この手段で生活してる人がいるから、その人に会わせてやるよ。その人だったら1時間で終わる」

「へえ、そりゃありがたいな」

「オッケー。今その人と連絡取ってみるわ。フツーに生活してたらまず会えないような人だからよ。色々と忙しいわけさ。でも、なぜか俺が連絡するときはいつもつかまるんだわ。会うのはいつでもいいだろ?」

「まあな。基本暇だからな」

大城は予め用意していたかのように携帯電話を操作した。短縮ダイヤルでもついているのだろうか

「あ、もしもし。お疲れ様です。今大丈夫ですか? すいません。え~とですね、例の話を聞きたいっていう人がいるんですけど。はい。友達ですね。はい。じゃあ、ちょっと聞いてみます。いつでもいいとは言ってましたけど」

大城の動作から、通話を保留にしたようだった

「あれさぁ、明日のこの時間でもいい?」

「ああ、いいぜ」

大城はすかさず保留を解除した

「もしもし。今本人に聞いたんですけど、明日の20時で問題ないそうです。はい。わかりました。ありがとうございます。では、明日はよろしくお願いします。失礼します」

電話を切る大城

「な、言ったろ。俺が連絡取るとなぜかその人都合がいいことが多いって」

「みたいだな」

「さてと。おっともうこんな時間か。俺はもう行くけどどうする?」

「俺はまだいるわ」

「おう。じゃあ、また明日な」

とりあえず鬼が出るか蛇が出るかわからないが、俺の直感も話を聞いてみろと言っているようだった

確かに理性よりも直感で動いた方が何かと面白いことが起こる。最近毎日がマンネリ気味で退屈だったからちょうどいいかもしれない

2 件のコメント:

  1. えっ!新作ですか?
    今度のテーマは何になるのかな?
    やっぱり絶望的で虚無感漂う小説になるんでしょうか?

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    1. いえ、旧作ですw
      しかも記念すべき処女作ですw

      9年前に書いたんですが、未だに電子書籍の売り上げはトップクラスです

      このときは、今ほど絶望感はないですね
      人も死なないですし

      どちらかといえば虚無感の方が強いです
      あと、今とは文体が違うので、わりかしライトな感じかもです

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