2017/05/25

Rebirth of dark haze

黒靄で霞んだ太陽。
細かく入っていた黒い縦線はなくなっていた。

従来通り任務をこなしている人工知能たち。

川へ投げ出される亡骸は、原型は留めていたものの、体の大半が溶けていることも少なくなかった。

溶けきらずに残っていた多数の白骨は、手をつけられることはなく、そのままの状態だった。

散歩しているサヤ。
足取りは少々重い様子だった。

2017/05/17

Melting IV

薄闇に浮かぶ、一糸纏わぬ仰向け状態のサヤ。
微動だにせず、目は固く閉じられている。

絶え間なく降り続く黒い雨。
まだ原型を留めていたが、蒸気を発しているサヤ。

その様子をひたすら見ている、完全防護状態のヨシキ。



「!?」

驚いたように振り返るヨシキ。
肩に乗せられた手は、既に白骨化していた。

顔立ちがヨシキやサヤとよく似た人物。
かろうじて原型は留めているものの、体の大半は白骨化していた。

声にならない叫びをあげ、肩に乗せられた手を払いのけようとするヨシキ。
想定以上の力だったせいか、それは叶わなかった。

白骨化を早めながら迫ってくる顔。



目を見張り、飛び起きるヨシキ。
横には、何事もなかったかのように寝息をたてているサヤ。

荒く、肩で息をしているヨシキ。

2017/05/14

Melting III

薄闇の中に黒い縦線が細かく入っている景観。
業務を終えて家路に向かっているリュウスケ。
辺りは亡骸が発している蒸気によって、白く塗りつぶされていた。



侵蝕された亡骸の数々。
それらに見向きもしない人工知能たち。

一瞥はするものの、意に介さない様子で歩いているリュウスケ。

2017/05/10

Melting II

ヨシキの帰りを待っているサヤ。
衣類は何も身につけていない状態だった。

ドアの開く音。

あれ?今日は「ただいま」が聞こえてこないな…
ま、いっか。

微笑を浮かべ、全身で喜びを表しながら玄関に向かって行くサヤ。



防毒マスクを片手に、放心したように突っ立っているヨシキ。
レインコートからは水滴がとめどなく滴り落ちていた。

ヨシキ?

ヨシキがサヤを認識するまでに数分程度かかった。

「サヤ…」

防毒マスクが落ちる。

ヨシキ……
…とりあえずレインコート脱ごうよ。



口で愛撫する音。
サヤの苦しさと快感が入り混じった表情。

ヨシキの頭は秘部に、両手は胸の膨らみを潰しては成形するを繰り返している。
その両手を優しく握りしめるサヤ。



激しく、何度も上下を入れ替え、体位を変え、全身を分泌物で濡らしながらお互いを感じ、味わう。



全てが終わったのか、溶け合うように1つになる2人。

2017/05/08

Melting

漆黒の闇。
街灯に照らされる無数の黒い線。
辺りは、蒸気か濃霧か定かではないが、白く塗りつぶされていた。

完全防護状態のヨシキが歩いている。

「!?」

能動的に死を選んだと思われる、白い蒸気を発しているうつ伏せ状態の亡骸。
絶え間ない黒い雨のせいか、頭部や指は白骨化しており、それ以外の箇所も所々骨が見えていた。

「…」

人工知能がやってくる。
しかし、溶けつつある亡骸には見向きもしなかった。



立ち込める蒸気の中を進んで行くヨシキ。
侵蝕の度合いは様々だが、同様の亡骸を見かけないことはなく、人工知能たちはその存在を認識していないかのような動きをしていた。

2017/05/04

Beginning of nightmare III

9年前。
リュウスケの両親は既に離婚しており、リュウスケも学校を中退し働いていた。

仕事が終わり、家路に向かっているリュウスケ。
自宅の10階建マンションの入り口付近には、数人の警官と10人程度の、住民と思われる人たちの姿が見えた。

どうも飛び降り自殺があったらしい、ということだった。



最上階の自室に向かっているリュウスケ。
部屋の前に警官が2人。



自殺者は母親だった。