2016/12/25

●18

「…ミナ、痛い、よ」

「やっぱ、り…、……ミ?」

反響していた嗚咽が、少しずつ、段階的に弱まってきた

「違うよ…。あたしはリオだよ」

「…キミは、いつ、この世界に生まれたの?」

「たぶん、20年ぐらい前だと思う」

「…」

「何か、あったの?」

「アイツが…、世界を1つにしやがったんだ…」

「…アイツって、あの、白衣着た?」

「ああ…」

「でも、カナミに殺されてるんじゃ?」

「肉体はね…。精神は、しぶとく生きてやがった…」

「…」

「アイツは自分の頭脳を、どういう方法かわからないけど、世界中にデータとしてコピーしてたんだ」

「…そこまでして、何がしたかったんだろ…」

「信じられないかもだけど、世界は、キミが生まれる前は2つに分かれてた」

「そう、なんだ…」

「ずっと昔、ホント大昔に、究極生命体がやったって言われてる。ありえないくらいデカイ、機械みたいな生首なんだけどね」

「…」

「だから封印されてたんだけど、どうやら世界を1つにすると解けるみたいだったんだ」

「…それで、その究極、生命体?を復活させて、…まさか!?」

「その、まさかさ…。アイツは、自分の頭脳を同化させた」

「なんの、ために?」

「…」



「…究極生命体の力を、ただ単に体感してみたいだけ…」

「そ、…」

リオの両手が強くアッシェンの背中を抱いた

「…理由は謎だけど、世界を1つにするのに、カナミの真の力を目覚めさせる必要があったみたい…。アイツは、既に死んでるはずのボクのコピーを作り出して、カナミを誘き寄せつつ、それに成功した」

「…」

「カナミを剣で刺したのは、アイツなのさ…」

背中に食い込んでいる指が小刻みに震えていた
リオの背中も同様に震えていた

アッシェンの両手が、優しく、震える背中を抱いた