2016/12/21

●14

「ねぇ…」

「ん?」

「アッシェンを、返して…」

「んん〜?言ってることがよくわからないなぁ〜。ボクはアッシェンだよ」

「…乗っ取ったくせに」

「乗っ取ってはいないよ。同化しただけさ。さっき言ったじゃん」

「…」

「フフフ。まだ何かあるかい?」

「……なんで、あたしなの?」

「キミが好きだからさ。キミはキレイだ…。キミはかわいい…。キミは可憐だ…。キミはいじらしい…。それ以上の理由が必要なのかい?」

「…」

リオは静かに目を閉じた

「フフフ、いい子だ。あ、あともう1つ付け加えておくと、キミはカナミに似てるんだ」

リオはそっと目を開けて、アッシェンを直視した

「…ミナ?」

「…え?もしかして?」

「いや、そういうわけじゃないけど…」

「ああ…、そうさ。ボクはミナ…。正確に言うと、ミナの残留思念というか精神なんだ」

「カナミとは、どういう関係だったの?」

「それを話す前に、キミにはこれまである映像というか情景を見せてたんだけど、どこまで覚えてる?」

「…」

「順番に行こうか。白衣を着た男とガラス容器を覗き込む女…。容器の中は緑の液体で満たされている…。これは?」

「覚えてる…。あの2人は、たぶん恋人同士で…。それで…、あなたとカナミが生まれた」

「ほぼ正解。でも残念ながら、生まれた子供は1人だけだった」

「…それって」

「どういうことか想像つくかな?」

「…」

「あの白衣を着た男が、生まれた子供を人為的に双子化したのさ」

「!!」

「それだけじゃない…」

無表情だったアッシェンに異変が起こった
両目に赤黒い液体が湧き水のように溢れ、止まることなく頬を伝っていった

「う…」

アッシェンは泣き顔になり、唇も小刻みに震えており、二の句が告げない状態だった

「…」

磔にされていた両手がアッシェンの背中を抱いた
磔にしていた両手は脱力したように下ろされた

強引に開かれていた両脚がアッシェンを包み込んだ
強引に開いていた両腿は下ろされ、その上にリオが跨った