2016/12/18

●11

「おはよう」

ダークマターの声だった

固く閉じられていたリオの目が、しっかりと開いていた
白目は赤黒いままだった

「ここは何色に見えるかい?」

「…セルリアン、ブルー」

「そっか。てっきり赤く見えてるのかと思ったよ」



「キレイだよね…」

「…」

「でも、この色は全て化学物質なんだよね。たぶん、世界崩壊からずっとこの色なんだろうね。ただ、この湖みたいな水たまりはもっと色が薄かったんだ。なんで濃くなったと思う?」

「…さぁ」

「フフフ。この水たまりは、この洞窟の上を流れてる川とは水脈が違うのさ。だから化学物質の影響も多少なりとも少なかった。でも、ボクは見つけちゃったのさ。ここと外を繋げられる場所を」

「…」

「理由かい?理由なんてないさ。そもそも理由なんて必要なのかい?ただそうしたかっただけ。それだけさ」

「…」

「それはそうと、ここはどこだと思う?」

「……あの滝の裏にある、洞窟?」

「ああ、そうだよ。それも最下部さ」

「…」

「まさか、キミがあの滝から落ちようとするなんて思わなかったよ。でも大丈夫さ。キミを死なせたりなんかしない…」

「…あたし、滝壺に落ちたの?」

「いや、落ちてないよ。途中でしっかりと受け止めたからね」



リオの唇は震えており、目には赤黒い液体が溢れていた
溢れていた液体は、目尻から次々と止まるなく流れ落ちていた