2016/12/13

●7

「…大きくなったよね」

「…いつの頃と比べて?」

「あなたがまだ、赤ちゃんだったときと比べて…」

「…よく覚えてない」

「確かにね…」



「わたしが話さなくても、いずれは知ることになると思う…。でも、できればわたしの口から、あなたに伝えたい…」

透明度のないダークグレーの水が、膝を覆うほどになろうとしていた

「…」

カナミは顔を上げた
シャープで整った顔立ちが目に留まった

女性は柔和な笑みを浮かべた
カナミも釣られて口元だけ笑ったような形になった



女性の顔や回りの景色が滲んでいた
カナミの頬を水滴が伝っていた

「カナミ…。あなたはわたしの子よ。ミナは…。あなたの双子なの」

女性の体が、優しくカナミを包み込んでいた
水面に波紋がいくつもできていき、カナミは、収まることなく吹き出す感情にひたすら身を任せていた