2016/12/12

●6

「やっと会えたね」

カナミのぼやけた視界には、女性と思われる人間の顔が映っていた
水は頭頂部まで来ており、辛うじて顔だけが出ている状態だった

「あなたは…」

焦点が徐々に合ってきたようで、逆さだったが、今度は女性の顔がハッキリと見えた

27~28歳ぐらいだろう
メガネが似合いそうな、小顔の知的美人だった

「だいぶ目付きもしっかりしてきたね。起きられそう?」

「…やってみる」



「う…」

カナミは、体育座りの体勢のまま蹲った

「大丈夫?やっぱりまだムリそう?」

「…頭が、クラクラする」

「そうだよね。もう少ししたら良くなってくるはずだから」

カナミは顔を上げることができなかったが、女性はカナミの前にしゃがんで話しかけてきているようだった