2016/12/09

●3

そこは、残存していた地下シェルターだった

リオは寝袋で静かに寝息を立てていた
ちょうど10歳になったころだった

「…」

リオと面影のよく似た、母親と思われる女性だった
悲しそうな、別れを惜しむような表情だった

「寝たか?」

父親と思われる男の声だった

「…」

女性の瞳にはリオが映っていたが、次第にその姿は崩れていった

「先に行ってるぞ」

男は、残っていた約1年分の食料が詰まったリュックを背負っていた


生気がなく、静寂に覆われた針葉樹の森
月明かりが葉と葉の間から漏れていた
透明感のある漆黒の池

リオは、寝袋で静かに寝息を立てたままだった
側には、約1年分の食料が詰まったリュックが置かれていた


リオの両親は、セルリアンブルーの水中で抱き合っていた
何も身につけておらず、手首には切り傷ができていた
既に体中の血液が全て流れ出たのか、傷口からは何も出ておらず、全身は蒼白だった