水面に細波ができていた
鮮明に映っていた空と日光は歪に混ざり合っていた
リオは静かに寝息を立てていた
固く結ばれていたはずの手は1つだけになっていた
アッシェンは瞬き1つせず、地平線のどこかを見るともなく見ているような眼差しをしていた
どこもかしこもほぼ同じ景観だった
水たまりのない場所は、濡れた煤がより黒くなっており、微風では舞い上がることはなさそうだった
「起きてたんだね」
リオの声だった
アッシェンは微かに頷くような仕草をした
…
リオは背後からアッシェンを抱きしめた
華奢な指が、微かに分かれているように見える腹筋をくすぐるように動いていた
「…」
アッシェンは、眼差し、表情、いずれも変わらなかった