2016/11/20

●2

緑の液体が満たされたガラス容器の中
容器の下から、鑑賞魚の水槽のように、気泡が送り込まれていた

ガラス容器を覗き込む女性

「…カナミ。……がい。……なないで」

女性の声は、気泡が送り込まれる音にかき消されていた

白衣を着た男がやってきた
背丈は女性よりも10cmほど高かった

男は女性の背後で何かを語りかけつつ、腰辺りに手を回していた
女性の表情には悲しみが漂っていた


赤い液体に染まった、爪が異常に尖っており、質感も硬い鱗に覆われている手
止まることなく一定のペースで、その液体はポタポタと滴り落ちていた

白衣を着た男が倒れていた
完全に事切れているようだった

女性は立ち竦んでいた
涼しげな瞳の中に、怯えの色が見えた

虚ろな眼差しのカナミ
顔色は次第に生気が失われていき、土気色になっていった