2016/11/16

●6

漆黒の水面が細波だっていた
アッシェンの髪が風になびいていた



互いの視線が交錯していた
セルリアンブルーの瞳は、赤い景観に混ざることはなく、本来の色に見えた



アッシェンの視線が一瞬落ちた
瞳には、リオの頬を伝う、どす黒い、赤い液体が映った

「…」

リオの視界からアッシェンの姿が遠ざかっていった
押さえられていた肩の自由も利くようになっていた

しかし、リオは動かなかった
瞬きもせず、どこかを見ているか見ていないかハッキリしないような眼差しをしていた