2016/11/08

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滝の裏には洞窟があった

太陽光の届かない、暗闇、ひんやりとした空気に覆われた場所ではなく、セルリアンブルー一色だった
所々から、上を流れる川からのものと思われる水が漏れていた
湧き水のように壁面を伝うばかりでなく、小さな滝のように落ちてもきており、川のような場所もあった

アッシェンは、洞窟の最深部で生きていた
底なしの洞窟と言われていたが、体感的には地下6階程度だった

どの階よりも広く、開けており、唯一滝が流れておらず、湖のようになっていた
水脈が異なるためか、化学物質の汚染度合いが低いためか、スカイブルー一色だった

上の階を流れる水の音が微かに聞こえてくる以外では、基本的に静かだった
気温も常時22〜23℃に保たれていた

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対岸が見えないほどの大きな滝だった
滝壺に落ちる水量も膨大で、落差は100mほどだったため、落下速度が早く、轟音とともにおびただしい水煙が立ち上っていた

流れる水は、昼夜問わずセルリアンブルーだった
雲に覆われているときも色が変わらないことから、光の反射によるものではないようだった

世界崩壊からの年数経過により、化学物質を大量に含んだ雨や雪は降らなくなっていたが、土に含まれていた化学物質はすぐに分解されることはない

無色透明な水が流れるのはまだ先のことになるだろう

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かつて、世界は2つに分かれていた

1つは、天変地異と核爆発によって崩壊してしまった世界
特に都市部の崩壊が著しかった
また、崩壊時に大気中に飛散した多量の有害物質が雨となり、長期間、しとしと地表に降り続いていた

地表に落ちると何らかの化学反応を起こすせいか、溶けるような音に加え、辺りが見舞わせないほどの蒸気と異臭が発生していた

崩壊の引き金は大地震だった
それは、今まで世界各国で発生していたものとは比較にならないほどの規模だった

明確な原因は解明されていないが、地中に埋まっていた石油やメタンハイドレートなどの資源が枯渇することにより、激しい地殻変動が起こり、引き起こされたと言われていた

その揺れは全世界を巻き込んだ
そして、各国が軍備として保有していた核兵器が全て爆発し、大量の核物質が漏れ出た

なお都市部では、死んだ人間たちと思われる多くの残留思念が徘徊していた


もう1つは、遺伝子操作を施された動植物のみが生息していた世界

高さ、太さ、枝や葉の付き方・大きさ・形など、全てが同じ木々
鬣部分が無数の生きた蛇になっていた、緑色の雄ライオン
ヤマタノオロチと酷似した八首の化物

これらはごく一部だった

また、太陽や月との距離が近かったようで、日中の日差しは強く、気温も高かった
月もスーパームーン以上に大きな月だった


2つの世界は、20年前に1つになった
このとき、巨大な、機械部品で作られた生首のような究極生命体が出現し、その強大な力によって、再び世界が破壊されかけた

しかし、長くは続かなかった
世界が1つになったときにできあがった闇によって、究極生命体が葬り去られたからだ

なお世界が2つに分かれたのは、この究極生命体によるものと言われていた
太古の昔に邪神たちが創り出し、あまりにも強大な力だったため、当時の英雄たちに封印されたようだった

復活に至った理由、そして世界が1つになった理由は、世界的な科学者やその近しい者が関わっていたと言われていたが、詳細は不明だった