2016/11/04

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ハア…、ハア…、ハア…、ハア…

辺りにはカナミの息遣いが響き渡っていた

「フフフ。もう限界かい?」

ミナの剣は、血塗られた剣と化していた
切先からは、鮮血が滴り落ちていた

「…」

カナミは、腕に限らず、闇に覆われていない場所は何らかの傷が出来ていた
出血量が多く、もはやまともに体が動く状態ではなくなっていた

「…そんなに、わたしが怖いの?」

「は?」

「だって、そうじゃない…。わたしにはわかる…。あなたは、やろうと思えばすぐにでもわたしを殺せたはず…。でも、自分も無傷では済まない…。場合によっては、わたしにやられる可能性があった…。それが、怖かったんでしょ?」

「…で?」

「だから…こうやって、わたしを弱らせて、確実に殺そうとしてるんでしょ?あと、剣て突いて引くためのものじゃん?今までの攻撃って、全部切り付けだったでしょ?突きをやらなかったのは、わたしの懐に入らざるを得ないから…。結果的に、自分がやられるリスクが出てくる…。要するに、あなたはただの臆病者…」

「珍しくよく喋るねぇ。でも、もう立ってるのもやっとなんじゃない?」

「…そうだね。今だったら、確実に殺せると思うよ」

カナミを覆っていた闇が消えた

「フフフ。どうやら、その闇はキミの体力というか生命力と連動してるみたいだね。罠かと思ったけど、キミが瀕死なのは間違いなさそうだし。じゃあ、お望みどおりラクにしてあげるよ」

ミナは姿を消した

カナミが瀕死状態なのは間違いなかった
しかし、カナミにはミナの動きが見えていた

まるで、スローモーションを見ているかのように…