2016/11/03

▼09

「フハハハハ!私は最強だ!全てを焼き尽くし、全てを爆発し、全てを崩壊させる。破壊衝動は崇高なる欲望だ。歴史を紐解くと、全ての事象の根幹は、破壊と殺戮によって成り立っていることが明白だ。誰も否定できまい?」

生首の両目が光る

至る所で爆発が起こっていた
森林だった場所、砂漠だった場所、都市だった場所
全て炎の海と化していた

唯一の例外が、生首が現れた水源ぐらいだった

▼08

先に仕掛けるのはどちらだろうか?
カナミもミナも、当初の間合いから動いていなかった

「フフフ。どうしたの?なんで仕掛けてこないの?」

「それ、わたしのセリフなんだけど」

ミナは、あくまでコピーだからかもしれないが、恐ろしく無表情だった
加えて、カナミはミナの手の内をほとんど知らない
「仕掛けない」というよりは、「仕掛けられない」と言った方が正確かもしれない

「フフフ…。その強がり、いつまで言ってられるかな」

ミナには余裕が感じられた
おそらく、カナミの心の内も見透かしているのだろう

「さて、そろそろ終わりにしようか。大丈夫。そこから動かなければ、痛みを感じる間もなく、ラクになれるから…」

ミナの姿が消えた

!?

カナミは咄嗟に体を反転させた

「う!?」

カナミの腕に創傷ができていた
出血の仕方から、静脈は切断されている可能性が高かった
何らかの方法で止血しなければ、湧き水のように出続けるような状態だった

「うわ、痛そう…。だから言ったじゃん。動かないでって」

ミナが姿を現した
右腕が、刃渡り1mほどの剣に変化していた

「キミを覆ってる闇って防具の代わりにはならないんだね。まぁ、なったとしてもボクの動きについてこれないと意味なさそう」

「防具っていうよりは武器だし。この闇に取り込まれたモンスターたちがどうなったかは、知ってんじゃない?」

「いや、わからないな。だって、キミはまだボクの動きを目で追えてないでしょ?残像すら見えてないと思うな。だから、知る必要はないってわけ」

ミナのスピードは尋常ではなかった
確かにカナミの闇は、目で動きが追えない相手に闇雲に噴出しても意味がない

状況はカナミが圧倒的に不利だった