2016/10/29

▼03

そこはオアシスだろうか?
砂ばかりの場所に、湖のような巨大な水源が現れた

見つけた…

ここも、あの湖と同様に精神世界への入口となるのだろうか?

「フハハハハ!まさかここで鉢合わせすることになるとはな」

湖の中から、カナミの約200倍ほどの大きさの、機械部品で作られた生首が現れた

「…誰?」

「随分物忘れが激しいようだな。それともわざとかね?」

「別に…。てか、どうでもいいし…」

「フッ。まぁ、いい。それより、なぜここに来たのかね?」

「あなたって、何でもかんでも理由付けしたがるのね。…理由なんてない。ここが、わたしのいるべき場所だと感じたから…。ただ、それだけ…」

「なるほど。その感覚は残念ながら私には理解ができない。なぜならば、ここは塩分濃度が異常に高い塩湖なのだ」

「へぇ…」

「塩湖は、塩分やミネラルを含んだ淡水が河川から流入するにも関わらず、その出口がないために、水分が蒸発しても塩分は蒸発しないで残る。その結果できたものなのだ。この湖の塩分濃度はどれぐらいだと思うかね?」

「さぁ…」

「海水の塩分濃度は約3%だが、この湖は少なくともその10倍はある。つまり、生物の生息が極めて困難なのだ」

「…機械だったら生息できるってこと?」

「生息?私はここに生息などしていないよ。この機械、いやこの生命体は湖の底に眠っていた。それこそ太古の昔からな。いわゆる究極生命体なのだ」

「もしかして、人造人間?目的や手段は違うけど、わたしやミナのように人為的に作り出された…」

「おそらくそうだろう。まぁ、私にとってはその目的や手段はどうでもいいのだ。この究極生命体と、私の頭脳が同化できたことに意義があるのだからな」

「あなたの目的は何?究極生命体として生まれ変わる、ってことだけじゃない気がするけど?」

「なかなか興味深い問いだな。その答えは案外簡単なものだ。わかるかね?」

「…」

「ヒントを出そう。目的というほど大それたものではなく、さっきキミが話していた感覚とやらに近い」

「……たぶん、わたしが思い付いたことで当たってる気がするけど、だとしたら…最悪、ていうか最低」

「ほぉ、言ってもらえるかな?」

「ただ単に、その究極生命体の力を体感してみたいだけ…」

しばしの間、静寂がその場を支配する
湖面は気流によって、さざ波が出来ていた