2016/10/21

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まさか、これが今まで見ていたミナだということなのだろうか?

「科学に不可能はない。もちろんこの私にもな。キミが今まで見ていたのは、私がこうやって作り出したコピーなのだ。ミナは、人体実験のときに死んでしまったのだよ。まあ、私の研究に喜んで協力してくれた、あの美しい女が産んだ赤ん坊を、人為的に双子化するのは成功したがね」

「…」

「まあ、さっき『キミたち』と言ったのは、科学的にはあり得ないが、もしかしたらキミの心の中で、ミナが生きているかもしれない。そう思ったからなのだよ」

「…そうね。きっと、そうだと思う…」

根拠はなかったが、確信はあった
あの精神世界は、紛れもなくカナミ自身のものだったからだ

「それはそうと、なんであなたはミナのコピーを使ってわたしをここまで連れてきたの?」

「ならば聞くが、私が自らのコピーを作り出して、キミの元に現れたとしたら、どうしていたかな?おそらくここまで来ることはなかったのではないかと思うが、どうだろう?」

「…それは、そうね」

「それでは意味がないのだよ。私の研究を完成させるには、セカイを1つにする必要があるのだ。それにはキミの力が必要だったのだよ」

「ということは、ここは1つになったセカイなの?」

「いかにも」

あの深い闇に飲み込まれたときに、何かが起こったのは間違いない
しかし、カナミはそのときのことを全く覚えていなかった

「さて、そろそろいいかな?私は忙しいのだ。そして、キミの用は済んだのだ」

カナミの足元にブラックホールのようなものが現れた

どこに通じているのだろうか?
異次元への入口なのだろうか?

考える間もなく、吸い込まれていった