2016/10/18

▼82

そこには、ヤマタノオロチと酷似した八首の化物がいた
胴体はドラゴンのようだったが、八又に分かれた首は、いずれも毒蛇と思われるような出で立ちだった

湖だった場所は、焼け野原のようになっていた
最初から湖など存在していなかったかのように…

化物の足元には、はらわたを食い破られた胴体がいくつも転がっていた
胴体には首はなかった
流れ出た血が大地を赤く染めていた

毒蛇はいずれも口から血を流していた
ついさっきまでお食事中だったのだろう

化物は、いつしかのライオンのように、カナミの様子を窺うことはなかった
いきなり、八首が一斉に襲い掛かってきたのだ

その速度は、人間には反応できないほどのものだったが、カナミにはスローモーションのように感じられた