少しずつ目を開け始めるカナミ
視界には森というよりは焼け野原に等しい場所が広がっていた
!?
一体何があったの?
カナミは意識を失っていたため、夜の間に何が起こっていたのか知る由もない
「何があったか教えてあげようか?」
「ホント、どこにでも現れるのね」
建物の影から現れるミナ
「減らず口が叩けるってことはそれだけ体力が回復してるってことだね。いいことだ」
「で、一体何があったわけ?」
「その前に1ついいかな?キミは夜の間ずっと意識を失ってたの?」
「んな当たり前のこと聞かないでよ。でなきゃ何があったかなんて聞かないって」
ミナは含み笑いをしていた
まるでカナミの反応を楽しんでいるかのようだった
「いいねぇ、こうでなくっちゃ。早くキミと1つになりたい…」
ミナの目に全てを凍てつかせるような冷たさが浮かんでいた
カナミは身の危険を感じたが、どうすることも出来なかった
意識が戻ったとはいえ、まだ体はまともに動く状態ではなかったのだ
「まあ、それはまだ先の話。それはそうと話を戻すけど、この森をこんなにしたのはキミだよ。キミが内なる力を目覚めさせてディアボロスに変身し、木を根こそぎなぎ倒し、熱線で何もかも焼き尽くしたのさ」
「わたしが?」
「おそらく意識を失っているときだろうね。現時点では瀕死もしくはそれに近い状態になるとキミの力は目覚めるみたい。ちなみにボクが意図的に目覚めさせたときはディアボロスではなく、ビーストに変身したよ」
「…」
「さて、この辺にしとこうか。ボクにはやるべきことがある。でも困ったことにそれはキミの力がないと出来なかったりする。それも今回のように特定の状況にならないと発動しないっていうんじゃなくて、キミ自身でコントロール可能な状態になってる必要があるのさ」
「セカイを1つにするのにってこと?」
「さあね。とりあえずボクはこのまま北に向かう。キミもおいでよ。というかもう後戻り出来ないわけだから、必然的にそうするしかないわけだけど」
「内なる力…。ビースト…。ディアボロス…」
カナミはようやく自分の体が動かせる状態になってきたのを感じた