2016/09/23

▼49

カナミの目の前には淡い光に包まれた黄金色の草原が広がっていた
心なしかそよ風が吹いているようだった

おはよう、カナミ

…誰?

辺りを見回してみたが、誰もいなかった

でも、あなたの声聞き覚えがある…

そうね
まだあなたが崩壊したセカイにいたときに、こうやってあなたの意識に語りかけたわ


…思い出した

あのときはそれほどではなかったけど、今回は結構重症だったみたい
今、何が見える?


黄金色の草原、そよ風に吹かれてる…
あなたに話しかけられるまでは暗い場所にいたよ

そう…


ねぇ、ここは一体どこ?
わたしはさっきまで森にいた
変な木に胸を貫かれて、そこから意識を失って、気付いたらここにいる

ここは生と死の狭間
でも、どちらかといえば生に近い場所ね
淡い光が見えるでしょ?


うん

あなたにはまだやるべきことがある
あの子、ミナを止められるのはあなたしかいない
体内にディアボロスを埋め込まれたあなたにしか…


それはあの人体実験でってこと?

ごめんなさい
あなたの意識に直接語りかけられる時間は限られているの
もう行かないといけない
おそらく今度は直接会うことになると思うから


淡い光が眩しい光に変わり、黄金色の草原はかき消された

▼48

……きて



お……て

…誰?

カナミ、そろそろ時間よ

…時間?

そう、起きる時間よ
早くしないと遅刻するわよ


…遅刻?

カナミは自分の置かれた状況が全く把握できていなかった
かろうじて自分が暗い場所にいるということだけ認識できていた

さぁさぁ、外はいい天気よ
ほら起きて


ま、眩しい…

カナミは少しずつ目を開けていった