2016/09/21

▼47

夜が明けた
森はその原形を留めないような状態となっていた
見渡す限り木々は黒い煤と化していた

例の研究施設が入った建物は残っていた
カナミはその建物にもたれるように倒れていた
見たところ外傷はなかった
木に貫かれたはずの箇所も最初から何事もなかったかのような状態だった

閉ざされていたはずの研究施設からミナが出てきた
猛禽類を思わせる瞬き1つしない眼差しだった

カナミは動き出す気配が全く感じられなかった
昏々と眠り続けているような状態だった

ミナはカナミを一瞥し、去っていった
口元には「全て思惑通り」とでも言いたげな笑みが浮かんでいた

▼46

夜が訪れた
スーパームーンは相変わらずだった
前日と違いがあるとすれば、森の中の木々がなぎ倒されたり、へし折られたり、跡形もなく燃やされたりしている、ということだった

カナミを串刺しにしていた木はいの一番に灰にされてしまった
カナミは意識を失ったと同時に周りの景色と同化するように消え去った
影も形もなくなってしまったのだ

その後、一筋の熱線が降り注ぎ、その木を直撃した
木は一瞬のうちに黒焦げになり、地表に崩れ落ちていった

スーパームーンを背に悪魔と酷似した異形の影が見えた
熱線を発したのはこの影だろうか?
木が完全に崩れ落ちたのを見届けると、異形の影は目に留まらぬ速さで森へ飛び込んで行った

夜が明けるころには「ここは以前何から何まで全く同じ木々で構成された森だった」と呼ばれるような状態になっているのは間違いないだろう