2016/09/02

▼17

カナミは見知らぬ場所にいた
少なくとも今までいた地下シェルターではないことは明らかだった

おそらくどこかの地下だろう
白を基調とした無機質で冷たい空間
灯りは蛍光灯ではなくLEDだった
それが余計に冷たさを強調させた

…なんか変ね
知らないはずなのに前来たことがある?
でも、なんだろうこの違和感
あのビルで感じたのと似てる?

「そうだよ。ここも作り出された空間さ」

どこからともなく例の黒ローブが現れた
相変わらずフードを目深に被っていたが、今回は多少なりとも顔が見えた
とは言っても顔の輪郭や肌の色合いが見えるだけだった

どちらかと言えば端正な顔立ちだろう
全体的な輪郭はシャープだった
肌の色合いは冷たい光のLEDに照らされているせいか、白く見えた
病的な生白さではなく、卵肌だった
声のトーンは高めだった

この見た目と声のトーンからでは男性なのか女性なのか判別ができなかった

「キミってどうでもいいことを気にするんだね」

「別に気にしてるってほどじゃないけど」

「フフ…。キミってホント面白いね」

「…で、今度は何しに来たの?」

「ん?もちろんキミに会いに来たんだよ。何当たり前のこと聞いてんのさ」

キミが何を聞きたいかはわかってるけどね、とでも言いたげな様子だった

「聞き方が悪かったみたいね。え~と…」

「そうだよ。ここはさっきとはまた違う場所さ。そして、キミは確かにこの場所を訪れたことがある。ボクと一緒にね」

「え??」

「でも、ボクが何者かっていうのを話すのはまだ早いかな。キミはまだ自分自身のことをよく理解していないようだからね」

カナミの頭の中は様々な思いが駆け巡っており、すぐに二の句が告げない状態だった

「ヒントをあげるよ。セカイは確かに崩壊したけど、さっきの場所とここはそれとはまた別のセカイなのさ。偶然ではなく必然的に分けられていたんだ」

「人為的にってこと?でも何のために?そもそも誰が?」

「何でも人に聞くのはよくないなぁ。答えは自分自身で見つけるものだろ?まずはここから脱出しないとね。ここは残留思念とは違ったモンスターがいるみたいだから、気をつけてね。それじゃ」

その人物は周りと同化するように消えた

「あ、そうだ。せっかくだから自己紹介しておくよ。ボクはミナ」

「ミナ…?」

どこかで聞き覚えのある名前だったが、思い出せなかった

▼16

ねぇ、そろそろ意識戻ってきたんじゃない?

…そうかもね

暗く光の届かない闇…
たぶん目を開けると淡い光が見えると思うよ


…目が重い

そうよね
なんせあなたは1度死んでるんだもの…


…どういうこと?

いずれわかるわ
ごめんね
わたしはそろそろ行かないといけない


…いずれ、か
わたしは「いずれ」じゃなくて今知りたい
だってその「いずれ」は永遠に来ないかもしれないでしょ?

…ねぇ



…答えはわたしで見つけるしかないのね